一般に検査の意義は、疾患の早期発見が可能で、かつ、発見後の早期治療が病期の進行を制御できて患者の生命予後改善や生活の質向上に寄与しうる場合に大きくなる。尿検査について考えてみると、検尿は自覚症状の乏しい腎疾患の早期の徴候である尿異常を低コストで確実に検出する方法として、腎疾患の早期発見にとって不可欠である。さらに早期発見が患者の予後改善につながるか、という点に関しても、近年の透析導入患者における糸球体腎炎の絶対数減少は最近の腎炎治療進歩の成果と考えられるし、また、増加し続ける糖尿病性腎症についても、早期発見・早期治療の有効性は確立している。そこで、検尿は検査としての意義は大きく、腎疾患のプライマリケアの基本をなすものと考えられる。 |