腎臓病ガイド
放ったままにしていませんか?-蛋白尿・血尿-
社団法人 日本腎臓学会
理事長:自治医科大学教授 浅野泰
広報委員会
委員長:金沢医科大学教授 石川 勲
検尿のすすめ委員会
委員長:日本医科大学 教授 飯野 靖彦
蛋白尿・血尿って何?
蛋白尿・血尿は尿(おしっこ)を検査すること(検尿)によって判断します。
蛋白尿は尿中に蛋白がもれ出ている状態、血尿は尿中に血液中の成分(赤血球)がもれ出ている状態のことを表わします。(尿の色が赤くなくても、血尿の場合があります)
病気のない方は、通常尿中に蛋白や血がでることはありません。
なぜ蛋白尿・血尿をしらべるの?
蛋白尿・血尿をしらべると、いろいろな病気を発見するのに非常に役立ちます。
蛋白尿と血尿が認められる場合 | 血尿が主に認められる場合 |
---|---|
・慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症などの腎臓の病気 ・高血圧による腎障害 ・膠原病による腎障害 など |
・泌尿器の癌、結石 ・膀胱炎 前立腺炎など |
蛋白尿・血尿が出たら注意信号です。
蛋白尿と血圧が大事な指標です。
グラフ1:蛋白尿と透析の関係
(透析:人工的に体の不必要な物質を体外に除去する手法。)
グラフ2:血圧と透析の関係
(透析:人工的に体の不必要な物質を体外に除去する手法。)
腎臓の病気は自覚症状がないまま進行することが多いので放置されがちですが、特に蛋白尿が多く、血圧が高いと、腎臓はだんだん機能しなくなります。
きちんと蛋白尿と血圧をコントロールしましょう。
腎臓の病気にはどんな自覚症状があるの?
多くの方は自覚症状がありません。病気が進行すると、次のような自覚症状があらわれます。
- むくみ
- からだのだるさ
- 食欲不振・はきけ
- 呼吸困難
- 不眠
- 頭痛
- しびれ など
蛋白尿・血尿がでる方で、これらの症状があると危険信号です。
油断しないことが大切です!
長い期間 | 短い期間 | |||
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蛋白尿血尿 | →→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→ | 自覚症状 | →→→→ | 透析 |
(慢性糸球体腎炎では早い時期に治療すると軽くなることがあります。) |
自覚症状が現れた時にはかなり病気が進行し、透析を受けなければならない場合もあります。
(透析:人工的に体の不必要な物質を体外に除去する手法。)
自覚症状が現れる前から適切な対応と管理を行うよう心がけましょう。
検査しましょう。
定期的な尿検査で現状の把握、および早期発見に心がけましょう。
こんな方は尿検査をお勧め致します |
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・尿の異常に気付いた方(尿の色、回数、におい、泡立ちなど) ・定期検診等の尿検査で蛋白尿や血尿を指摘され、再検査を受けていない方 ・自覚症状がないからといって、定期検診を受けていない方 ・最近健康診断を受けていない方 ・仕事が忙しく、疲れがたまっている方 |
蛋白尿・血尿を見つけたら
1)近くの医院に相談してください。
2)近くの医院が専門医を紹介した場合、先生の指示に従って下さい。
興和株式会社
H15 2月作成