新型コロナウイルス感染症について
COVID-19新規感染者数急増に伴う透析施設での感染対策の徹底について(お願い)
新型コロナウイルス感染対策合同委員会
副委員長 山 川 智 之
副委員長 竜 崎 崇 和
副委員長 南 学 正 臣
平素より当会の運営にご協力いただきありがとうございます。
全国での急速なCOVID-19新規感染者の増加に伴い、透析患者における新規感染者数も急速に増加しております。COVID-19透析患者数は、11月6日に297人でしたが、11月17日には331人と、この10日程度で34人もの患者が発生し、この発生のスピードはこれまでの5倍以上となっております。また、東京を含む関東地区では、11月13日から11月17日の5日間で15人もの患者が発生しており、集団感染事例も報告されております。
COVID-19透析患者は全例入院の対象となりますので、首都圏を中心に、特に東京都では透析患者の入院病床がひっ迫しております。維持透析施設においては、以下の感染対策の徹底、再確認をよろしくお願いいたします。
患者教育の徹底
患者には、毎日の体温測定と健康状態の把握を指示してください。発熱や咳、嘔吐や下痢などの症状がある場合は、来院前に透析施設に必ず電話連絡するように指導してください。院内に感染症を持ち込まないことが極めて重要です。また、常時マスクを着用すること、手指衛生の徹底などの協力を依頼する必要があります。いまだに政府による緊急事態宣言は発出されておりませんが、不要不急の外出や旅行は控えるようにお願いしてください。
なお、令和2年10月8日に、日本透析医会新型コロナウイルス感染対策ワーキンググループ作成の新型コロナウイルス感染症に対する透析施設での対応について(第5報)を参考に患者教育の徹底を行ってください。引用URL1)
医療従事者への注意
毎日の体温測定と健康状態の把握を行い、発熱や体調不良のある医療従事者は出勤を停止して、十分な経過観察を行ってください。常にマスクを着用し、診療のたびに手指衛生の徹底をお願いします。また、スタッフ自身が感染源とならないように、院内でも院外でも「3つの密(密閉、密集、密接)」が同時に重なる場を徹底して避けてください。食堂や休憩室で、マスクをはずして飲食をする場合、他の従事者と一定の距離を保ち、極力マスク無しでの会話を控えてください。また、無症状の職員もいることから、新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)を使用するなど、職員の健康観察には十分に注意してください。
COVID-19疑い患者への感染対策の徹底
COVID-19が疑われ抗原検査やPCR検査の対象となった場合でも、検査結果の報告までに数日かかる地域があります。COVID-19疑い患者においても、結果報告があるまでの1~2回程度、自施設で透析を施行する必要があります。透析施行の際には、新型コロナウイルス感染症に対する透析施設での対応について(第5報)引用URL1)を参考に、空間的あるいは時間的隔離を行い、感染対策の徹底をお願いします。
なお、抗原検査やPCR検査の陽性が判明した場合、症状の有無にかかわらず、透析患者は入院の対象となります。
個人防護具の着用と環境表面の清掃・消毒の徹底
透析施設における標準的な透析操作と感染予防に関するガイドライン引用URL2)では、平時より穿刺や返血などの手技は、ディスポーザブルガウンまたはプラスチックエプロン、サージカルマスク、ゴーグルあるいはフェイスシールドを着用すること、透析室での器具の清掃および環境表面の消毒には、0.05~0.1%次亜塩素酸ナトリウム、ペルオキソ一硫酸水素カリウム配合剤、アルコール系消毒薬のいずれかを使用すること、が推奨されています。透析室では平時の感染対策を遵守することが、COVID-19への感染対策にも繋がりますので、徹底をお願いします。
なお、患者のCOVID-19が判明した場合、発症2日前より濃厚接触となります。個人防護具の適切な着用が、濃厚接触者とならないために非常に重要です。
COVID-19の透析室における感染予防策につきましては、日本透析医会新型コロナウイルス感染対策ワーキンググループ作成の新型コロナウイルス感染症に対する透析施設での対応について(第5報)を参照ください。引用 URL1)
引用URL:(令和2年11月18日に確認)
1.新型コロナウイルス感染症に対する透析施設での対応について(第5報)
http://www.touseki-ikai.or.jp/htm/03_info/doc/20201008_action_for_covid19_v5.pdf
2.透析施設における標準的な透析操作と 感染予防に関するガイドライン (五訂版)
http://www.touseki-ikai.or.jp/htm/07_manual/doc/20200430_infection%20control_guideline.pdf