会員向け
「COVID-19ワクチン接種とネフローゼ症候群新規発症・再発の関連性に関する調査研究」アンケート調査結果のご報告
日本腎臓学会評議員の皆様へ
先日は「COVID-19ワクチン接種とネフローゼ症候群新規発症・再発の関連性に関する調査研究」アンケート調査にご協力いただき誠にありがとうございました。評議員581名(内科・腎臓内科339名、382施設)の先生にアンケートをお送りし、55施設(14%)より回答(2021年9月30日現在)いただき、新規発症6例、再発21例を確認しました。結果詳細は下記資料にまとめております。ご確認頂き、今後の日常臨床にお役立て頂けましたら幸いです。
陽性者は、85%ファイザーのRNAワクチン接種者で、年齢は60歳以上が48%を占めましたが、全年齢層に認めており、性別では男性が56%、女性が44%でした。2回目接種後の出現が67%で、1週間以上の持続が74%でした。原疾患は微小変化型ネフローゼ症候群が最も多かったものの、膜性腎症、IgA腎症でもみられました。
今後、若年者へのワクチン接種も進むと考えられます。ワクチン接種後のネフローゼ症候群の新規発症・再発との関連性については、今後も国内外の最新の報告なども参考にしながら継続して評価する必要がありますが、コロナ感染のリスクを考慮しつつ、今回の結果をふまえワクチン接種をご指導頂ければと思います。また、ネフローゼ症候群の既往がない方にも、ワクチン接種後にネフローゼ症候群を新規に発症する可能性があり、ご留意頂けましたら幸いです。
以下に患者さん・ご家族向けのメッセージも作成致しました。
皆様の御協力に改めて感謝し、以上ご報告いたします。
→COVID-19ワクチン接種とネフローゼ症候群新規発症・再発の関連性に関する調査~アンケート結果まとめ~[PDF]
参考文献)
1. Kobayashi S, Fugo K, Yamazaki K, Terawaki H. Minimal change disease soon after Pfizer-BioNTech COVID-19 vaccination. Clinical Kidney Journal, sfab156, 2021
2. Komaba H, Wada T, Fukagawa M. Relapse of Minimal Change Disease Following the Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine. Am J Kidney Dis. 78:469-470, 2021
一般社団法人日本腎臓学会理事長 柏原直樹
厚生労働省「難治性腎障害に関する調査研究」研究代表 成田一衛
同 ネフローゼ症候群ワーキンググループ 猪阪善隆、中川直樹