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腎臓学会から

腎障害患者におけるガドリニウム造影剤使用に関するガイドライン 改訂のお知らせ

2024年5月21日

腎障害患者におけるガドリニウム造影剤使用に関するガイドライン 改訂のお知らせ

NSFとガドリニウム造影剤使用に関する合同委員会
(日本医学放射線学会・日本腎臓学会)

2009年9月に、NSFとガドリニウム造影剤使用に関する合同委員会(日本医学放射線学会・日本腎臓学会)から"腎障害患者におけるガドリニウム造影剤使用に関するガイドライン第2版"を発表いたしました。その後、ガドリニウム造影剤の一部の製品が販売中止となったことや新たな研究結果も報告されたことにより、一部改訂すべきと考えられる点がでてきました。
今回の改訂における主な変更点とその理由は以下の通りです。
最新のエビデンスから、腎機能障害患者あるいは透析患者であっても、現在国内で販売されているガドリニウム造影剤を使用する限りにおいて、NSFの発生は極めて稀と考えられます。また、造影MRI検査を実施できないことによる患者の不利益も十分に考慮し、その制限は最低限にするのが良いと考えます。したがって、従来の本ガイドライン(第2版)では、「長期透析が行われている終末期腎障害、eGFRが30ml/min/1.73m2未満の慢性腎不全、急性腎不全」を「原則としてガドリニウム造影剤を使用せず、他の検査法で代替すべき病態」としていたが、今回の改訂においては、「可能な限りガドリニウム造影剤の使用を避け、他の検査法で代替することが望ましい病態」と文言を改め、その上で「他の検査法で代替困難な場合はNSFのリスクを考慮し、ガドリニウム造影剤の適正使用量を守る、繰り返し使用する必要がある場合は可能な限り間隔を空けるなど、十分に注意して投与する。」の文言を追加しました。
なお、本ガイドラインに対するご意見ならびにご質問は、日本医学放射線学会・日本腎臓学会NSFとガドリニウム造影剤使用に関する合同委員会までお寄せ下さい。
https://forms.gle/zSZqaUMDJ9PpvhyGA
全文は以下のPDFをご確認ください。

腎障害患者におけるガドリニウム造影剤使用に関するガイドライン(第3版)

NSFとガドリニウム造影剤使用に関する合同委員会
日本医学放射線学会
委員長  平木 隆夫
副委員長 林 宏光
委員   対馬 義人

日本腎臓学会
委員長  岡田 浩一