ハンガリー腎臓学会ブタペストサマースクール報告書
Budapest Nephrology School参加報告 京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻予防医療学分野 西岡典宏
Budapest Nephrology School参加報告
京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻予防医療学分野 西岡典宏
2019年8月26日から31日までハンガリー腎臓学会の支援で、ブダペストで行われたブダペストサマースクール (Budapest Nephrology School; BNS)に参加させていただきました。
ブダペストはハンガリーの首都で、ドナウ川河岸に広がり「ドナウ川の真珠」などと称される、絵に描いたような美しい街並みでした。会場となったセンメルワイス大学は、ハンガリーで最も古く規模の大きい国立医科大学で、大学内Department of Transplantation and Surgeryの定員100名程度の講義室で行われました。。
会期中、腎臓内科領域の第一線で活躍される様々な国の先生方の講義を連日朝から夕まで、各45分×45コマも受けることができました。内容は、高血圧症、腎疾患、腎移植、臨床疫学、腎病理、腎結石など、基礎医学的な内容から臨床に即した内容まで多岐に渡っていました。参加者はドイツ、イタリアなどヨーロッパ諸国が多い印象でしたが、アフリカ、中東などの国からも参加されていました。講義形式が中心でしたが、大規模な国際学会とは異なりアットホームな雰囲気でディスカッションの機会が多く、質問なども気軽に受けていただき、講義の疑問点の解消や内容の理解の助けができるように配慮されていました。参加者の多くが医師でしたが、保健師やヘルスケアプロバイダーなどの方々も参加されており、積極的に発言されていたのが印象的でした。また、最終日にはテストもあり、採点結果や解答、講義スライドのファイルなどの資料もいただくことができ、理解の助けになりました。
最近は、最新の講義などもweb配信などでアクセスできることも多いですが、BNSのような学習機会は独自の意義があるのではないかと感じました。 まず、集中した日程で、特定の分野に偏ることなく受講することで、基礎的なことから最新の知見まで幅広く学ぶことができました。講義の担当によって、平易な内容から難しい内容まで対象とするレベルにややばらつきはありました。使用言語は全て英語でしたが、英語が母国語でない参加者が多く、我々日本人にとっても比較的質問や議論がしやすい環境であったと思います。また、海外の腎臓内科医らと国際交流することができ、海外の医療システムや透析体制、文化の違いなどを直接聞き知ることもできました。
講義終了後には、連日イベントが企画されており、ハンガリーの名産ワインを楽しむ会やドナウ川沿いの夜景を楽しむクルーズ、 短時間でしたがブダペスト市内もバスで観光案内していただきました。個人的に、一部の海外の参加者の方々とともに、市内のランニングも楽しむことができ、多くの交流を持つことができました。
BNSへ参加させていただき、海外の医療従事者達が持つ探究心、講義や議論での気づきはさらなる学習意欲につながり、ここから先の臨床や研究のモチベーション維持の土台となったと思います。 最後に、支援してくださったハンガリー腎臓学会、日本腎臓学会、貴重な機会を与えていただいた関係者各位にこの場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。
Asian Pacific Society of Nephrology (APSN)
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