01)ニュース&トピックス
先行的献腎移植申請開始に関するお知らせとお願い
わが国では日本臓器移植ネットワークが唯一の臓器提供斡旋ができる機関であることは周知のことです。定められた配分ルールに則り日本臓器移植ネットワークにて、提供されたドナーに対し選定されたレシピエントに死体腎提供が行われています。レシピエント選定ルールはポイント制で運用され、適宜状況変化に対応するポイント見直しが行われてきました。注目されていた改正臓器移植法施行開始から脳死下臓器提供が増加していますが、心臓死後の腎提供数は増加していないのが現状です。
日本臓器移植ネットワークに死体腎移植を登録希望する患者さんの大部分は透析療法開始後に行っています。近未来に腎代替療法が必要になる保存療法中の慢性腎臓病患者さんの死体腎移植希望登録開始時期に関する規定がありませんでした。
わが国では透析療法を経ない最初の腎代替療法が腎移植である先行的腎移植が生体腎移植で大きく増加しています。
透析療法開始前の先行的献腎移植申請については東日本支部内では少数例ですが以前から行われていました。しかし、申請受理の基準は明記されていませんでした。一方、西日本支部内ではきわめて少数の申請が行われ、中日本支部内では透析開始前の死体腎移植希望登録は受けていませんでした。欧米諸国では死体腎移植での先行的腎移植は標準的に行われています。
全国統一ルールで運営されている日本臓器移植ネットワークの各支部により先行的献腎移植についての対応が異なっている状況を改善するため腎代替療法に関わる関連学会で協議が重ねられました。
日本腎臓学会、日本移植学会、日本透析医学会、日本臨床腎移植学会、日本小児科学会の5学会が協議を重ね、先行的献腎移植申請できる基準を作成しました。この会議には、日本透析医会、日本臓器移植ネットワークも加わっていただきました。
この会議にて、日本臓器移植ネットワークに先行的献腎移植登録できる基準が合意されました。
資料1の基準です。
要約すると、1)申請時から1年以前後で腎代替療法が必要になると予測される進行性腎機能障害例で、2)成人例ではeGFR 15mL/min未満、3)小児例と現在腎移植後で腎機能低下が進行してきた例ではeGFR 20mL/min未満です。
申請内容が適正であることの検証目的で当面の間に限定し、審査することになり、関連5学会よりの委員が推薦されました。
具体的な運営を記します。
上記5学会と日本臓器移植ネットワークのホームページに、先行的献腎移植申請基準(資料1)ができたことと、申請用紙(資料2)を掲示します。
申請用紙の記入例(成人、小児)をご参照ください(資料3、4)。
近日中に、腎移植後の記入例を追加します。
先行的死体腎移植希望者は、移植施設、あるいは治療を受けている施設の医師に申請用紙記載と提出を依頼してください。
先行的死体腎移植希望者より申請用紙提出を依頼されました腎臓専門医・移植施設の先生方は申請基準に合致することをご確認の後、申請用紙送付をお願いいたします。ご理解とご協力をよろしくお願いします。
申請先は、審査の取りまとめを日本腎臓学会・腎移植推進委員会がおこないます。同委員会委員長の名古屋第二赤十字病院 両角國男 あてにメールに添付して申請用紙をお送りください。
送付先メールアドレスは morozumi@nagoya2.jrc.or.jpです。
送付されました申請用紙を、審査委員の先生方に配信し、評価結果を回答させていただきます。
審査結果が登録基準を満たしている際には、日本臓器移植ネットワークに登録できる準備が整います。その後の登録料振込などの手続きは日本臓器移植ネットワークとでお進め下さい。
今回の先行的献腎移植登録に関する内容にご質問がありましたら以下にご連絡をお願いいたします。
【資料】
- 先行的献腎移植評価基準と評価法 [PDF 75KB]
- 先行的腎移植希望者の献腎登録判定用データ入力シート [Excel 38KB]
- 成人記入例 [PDF 87KB]
- 小児記入例 [PDF 86KB]
【申請先】
〒466-8650 名古屋市昭和区妙見町2-9
名古屋第二赤十字病院 腎臓内科 両角國男
TEL: 052-832-1121 Fax: 052-832-1130
メールアドレス: morozumi@nagoya2.jrc.or.jp