新専門医制度についてのQ&A

新専門医制度についてのQ&A

新専門医制度についてのQ&A

(2018年8月22日現在)
(2019年6月5日改訂)
(2021年9月27日改訂)
(2021年10月11日改訂)
(2022年8月1日改訂)

【A:制度全般】
【B:専門研修プログラムについて
【C:専攻医の登録時期,他】
【D:症例登録システム】
【E:専門医の更新】
【F:指導医】
【G:教育認定施設】
【H:専門医試験】

【A:制度全般】

Q1: 新専門医制度の対象は誰ですか。
A: 2018年4月以降に基本領域の専門研修を始める医師が対象となります。
※それ以前の医師は現制度での腎臓専門医取得となります。
Q2: 腎臓専門研修を受けるために必要とされる基本領域専門医資格は何ですか。
A: 内科、小児科、泌尿器科、外科です。
Q3: 現制度の腎臓専門医更新はいつまでですか。
A: 新制度によって専門医を取得した方は、新制度の専門医更新条件に基づいて更新する必要がありますが、新制度の専門医更新条件については、現在検討中です。すでに腎臓専門医を取得している方がいつから新制度による専門医更新に乗り換えるかについては検討中です。
Q4: 新制度に伴い、何か変更点はありますか。
A: 指導医認定条件と教育施設認定条件が変更となります。あとのQ&Aをご覧になって下さい。

【B:専門研修プログラムについて】

Q1: 腎臓専門研修の整備基準はどこで見られますか。(2021/9/27追記)
また、整備基準、経験症例は確定されたものですか?
A: 現在、日本専門医機構で審査中のため、変更になる可能性はありますが、専攻医の方の便宜を図るために案のままで掲載しております。以下がリンクとなっています。
Q2: 腎臓専門研修のカリキュラムはどこで見られますか。(2021/9/27追記)
A: 以下のリンクからダウンロードできます。
Q3: プログラム制とカリキュラム制はどのようになりますか。
A: カリキュラム制となります。
Q4: 基本領域専門医研修において登録した症例は、腎臓専門研修の経験症例として登録できますか。
A: 腎臓指導医のもとで経験した症例は経験症例として認められます。
ただし、基本領域専門医研修で作成した「病歴要約」と同じ症例を使って、腎臓専門研修の「病歴要約」を書くことはできません。
Q5: 基本領域専門研修と同時期に腎臓専門研修をおこなうことはできますか?
A: 1~3期生までは基本領域が内科の場合は、連動研修が認められ。基本領域内科研修1年目の症例経験をサブスペシャルティ研修(連動研修領域)の経験と認められます。4期生以降は基本領域内科研修2年目以降の症例経験のみをサブスペシャルティ領域(連動研修領域)とします。基本領域が小児科、泌尿器科、外科の方は旧制度での学会専門医を取得しただき、将来いずれかのタイミングで機構専門医に移行することを検討いたします。
Q6: 特定の理由(妊娠・出産・育児、病気療養など)があれば研修期間を休止できますか?
A: プログラム修了要件を満たし、かつ、上記のような特定の理由に伴う休職期間が6か月以内であれば、研修期間を延長する必要はありません。これを超える期間の休止の場合は、研修期間の延長が必要となります。
Q7: 専門研修施設群はどうなりますか。(2019/6/5下線部追記)
A: 腎臓専門研修制度は、カリキュラム制であり、研修施設群を組む必要はなく、決められたカリキュラムが1つの施設で経験できるのであれば、認定教育施設1施設での研修でも専門研修として認められます。1つの施設で経験できない場合は、複数の認定教育施設での研修をおこなって下さい。また、地域の医療事情も踏まえ、指導医がいない病院での研修をおこなう場合には、指導医のいる研修施設と連携を取ることで特別研修施設(指導医がいないが、指導医のいる研修施設と連携をとって指導できる施設)での研修をおこなうことも可能としています(ただし、1年を上限とします)。なお、多様なキャリアや地域の事情に配慮するために、研修の過程で、認定教育施設や特別研修施設を審査の上追加することも可能です(特別連携施設の申請方法については、未定です)。

【C:専攻医の登録時期,他】

Q1: 2023年3月に研修が終了しますが、どのタイミングで登録すればよいでしょうか?(2022/8/11変更)
A: 1~3期生の方は経過措置として登録作業は行わずに症例の提出をもって審査に入ります。以下の(A)~(C)をダウンロードの上、郵送にて提出して下さい(スケジュールは時期が参りましたらご案内いたします。
  • (A)J-OSLER-JIN_経験症例表(2022/8/1改訂)
  • (B)J-OSLER-JIN_病歴要約(2022/8/1改訂)
  • (C)新腎臓専門研修修了申告書(2022/8/1改訂)
  • 病歴ID対照表(病歴要約では、ID記入欄がありますが、そこには、研修施設の患者IDを記入せず、ご自身で設定した研修用のIDを記入して下さい。研修施設の患者IDと研修用のIDをこちらの表に記入してご自身で厳重に保管しておいて下さい。提出する必要はありませんが、必要に応じて、提出を求めることがあります)
Q2: 経験症例、および、症例要約として認められる症例の受け持ち時期はいつのものになりますか?(2022/8/1変更追記)
A: 経験症例、および、症例要約として認められる症例の受け持ち時期は、本来は、医師4年目から6年目となりますが、従来、内科研修医制度としては、医師3年目に並行研修をおこなってもよいとされていたので、1期生から3期生では、経過措置として「医師3年目(内科専攻医1年目)~6年目までの4年分の症例」を認めます。
4期生からは、内科研修の2年目と3年目の連動研修と、その後の、腎臓専門研修に専念する期間のもののみを認めます。
Q3: 「C Q1」のJ-OSLER-JIN 病歴要約の記入の目安はありますか。(2021/10/11改訂追記)
A: 病歴要約の分量に関しては、主訴〜退院時処方で40〜60行程度、総合考察は7-15行を目安として下さい。印刷は各病歴A4サイズ2枚となります。
Q4: 経験症例のリストの字数制限などはありますか。(2022/8/1変更追記)
A: J-OSLERからコピー出来る形としています。字数制限はありませんが、プリントアウトするので大きく体裁がずれないようにして下さい。A4横向き、両面印刷で15ページとなります。
また、考察や自己省察は必須としていませんが、経験した症例を簡潔にまとめて記載して下さい(長くても10行程度までを目安)。
Q5: 病歴要約、経験症例のリストの指導医直筆署名は必須ですか。(2021/10/11追記)
A: はい。必須です。印刷後、直筆署名を頂いて下さい。なお、提出方法は後日ご案内いたします。
Q6: 病歴要約、経験症例のリストの提出後、誤字などに気づいた場合再提出は可能ですか。(2021/10/11追記)
A: 最終版を出して下さい。提出後の訂正は出来ません(提出方法は決まりましたらご案内いたします)。

【D:症例登録システム】

Q1: 症例登録システムはありますか?ある場合、使用可能になるのはいつ頃でしょうか。症例登録はいつ頃から開始出来るでしょうか。(2022/8/1変更追記)
A: 4期生から2022年度中に稼働出来きる様、J-OSLER-JINを準備中です。
Q2: 内科専門研修で経験した症例をJ-OSLER(腎臓)に移行できますか?
A: 腎臓指導医が指導した症例は、腎臓専門研修の経験症例として認められますので、J-OSLERからJ-OSLERJINにエクスポートできるように配慮しております。
Q3: 症例登録システムに利用料はかかりますか。
A: 専攻医あたり研修期間全体で1万円がかかる予定です。その徴収方法については、現在検討中です。

【E:専門医の更新】

Q1: 新制度の専門医更新条件はどのようになっていますか。
A: 新制度によって専門医を取得した方は、新制度の専門医更新条件に基づいて更新する必要がありますが、新制度の専門医更新条件については、現在検討中です。

【F:指導医】

Q1: 新制度において指導医の認定は変更がありますか。
A: 指導医については2019年4月1日認定(2018年審査)から2025年4月1日認定(2024年審査)まで、緩和措置による認定を行います。専門医しかいない施設は認定教育施設になれないので、出来る限り早い指導医取得を勧めます。
Q2: 新制度において指導医の緩和処置とはどのようなものでしょうか。
A: 現在の指導医取得の要件はそのままで、専門医取得後5年という条件を3年に短縮するものです。2019年4月1日認定(2018年審査)から2025年4月1日認定(2024年審査)まで、緩和措置による認定を行います。
緩和措置における指導医取得の要件は以下の通りです。
(1)専門医の資格取得後3年以上、腎臓専門医として十分な診療経験を有すること
(2)申請時に会員であること
(3)腎・尿路系に関する研究業績が、過去3年間で2編以上あること(学会発表、論文で必ずしも筆頭演者、あるいは筆頭著者である必要はない)
Q3: 新制度における指導医の認定はどのようになりますか。
A: 2026年4月1日認定(2025年審査)から新制度に移行予定です。
新制度における指導医の認定は、整備基準において以下のように定められている。
【必須要件】
(1)腎臓専門医を取得していること
(2)専門医取得後に臨床に関する論文(第一、第二発表者、あるいは責任発表者)を発表すること、もしくは博士(医学)を有していること
※症例報告も可
(3)厚生労働省もしくは基本領域学会・日本腎臓学会主催の指導医講習会を修了していること
(4)腎臓専門医として十分な診療経験を有すること(腎臓専門医取得後3年以上)
【選択要件(下記のいずれかを満たすこと)】
(5)施設内外を問わず、症例検討会、研究会、学術集会などへの主導的立場(司会、座長、発表)としての関与・参加すること
(6)日本腎臓学会での教育活動(論文の査読、症例要約の査読、セミナーでのタスクフォース、講演など)
※これらの「必須要件」と「選択要件」を満たすこと。
Q4: 新制度における指導医の更新はどのようになりますか。
A: 更新については2024年4月1日以降に更新される方(2023年審査)から新制度に基づく更新を認定する予定です。新制度に基づく指導医認定更新条件は整備基準に定められており、以下の通りです。
指導医の認定更新は5年ごとに行う。
認定更新には、次の条件を満たしていなければならない。
【必須要件】
(1)腎臓専門医を取得していること
(2)5年に1回以上は厚生労働省もしくは基本領域学会・日本腎臓学会主催の指導医講習会を修了していること
(3)腎臓指導医として十分な指導経験を有すること
【選択要件(下記のいずれかを満たすこと)】
(4)施設内外を問わず、症例検討会、研究会、学術集会などへの主導的立場(司会、座長、発表)としての関与・参加すること
(5)日本腎臓学会での教育活動(論文の査読、症例要約の査読、セミナーでのタスクフォース、講演など)
※これらの「必須要件」と「選択要件」を満たすこと。

【G:教育認定施設】

Q1: 新制度に伴い、研修施設の認定には変更がありますか。(2019/6/5 下線部追記)
A: 旧制度での認定審査は2018年度審査(2019年4月1日認定)までで、2019年度審査(2020年4月1日から認定更新、新規認定をおこなう場合)は、新基準に基づいておこないます。旧制度で認定を受けている施設は、認定が切れるまでは、旧制度の認定のままで結構です。なお、2020年4月1日以降におこなう認定からは、「研修施設」ではなく、整備基準に基づいて「教育認定施設」と名称が変更になります。
教育認定施設の認定条件の主な点は、以下の3点です。
①常勤医指導医が1名以上在籍していること(ただし、専門医1人だけでも3年間は暫定認定をおこないます)。
②(新規申請)日本腎臓学会学術総会、あるいは、東部・西部学術大会で学会発表が過去3年間で年平均1演題(計3演題)以上あること。但し、②については2023年4月1日から必須とする。
③(更新申請)日本腎臓学会、あるいは東部・西部学術大会で学会発表が過去5年間で年平均1演題(計5演題)以上の学会発表をしていること。但し、③については2025年4月1日から必須とし、それまでは必須としない。
また、診療所や地域での医療経験の場として「特別連携施設」も設定されています。 特別連携施設は、指導医が在籍していないが、指導医がいる研修施設と連携することによって、遠隔で指導を受けられる施設をいう。特別連携施設の申請方法については、未定です。
なお、教育認定施設の要件は、整備基準では以下のように定められています。
認定教育施設は以下の条件を満たし、過去の専門医養成機能の実績を勘案して、日本腎臓学会研修委員会が決定する。
1)専攻医の環境
  • 臨床研修指定病院であることが望ましい。(但し必須ではない)
  • 施設内に研修に必要な図書やインターネットの環境が整備されていること。
  • 適切な労務環境が保障されていること。
  • メンタルストレス、ハラスメントに適切に対処する体制が整備されていること。
  • 女性専攻医が安心して勤務できるような休憩室や更衣室等が配慮されていること。
  • 敷地内外を問わず保育施設等が利用可能であること。

2)専門研修プログラムの環境
  • 指導医が1名以上在籍していること。
  • 複数の施設で研修をおこなう場合、研修施設間での指導医・専門医と連携を図ることができること。
  • 医療倫理・医療安全・感染対策講習会を開催するか、学会などで開催される講習会を受講できるように、そのための時間的余裕を与えていること。
  • 地域参加型のカンファレンスを定期的に開催し、専攻医に受講を義務付け、そのための時間的余裕を与えていること。
  • 施設実地調査に対応可能な体制があること。
  • 指導医の在籍していない特別研修施設での専門研修が含まれる場合には、指導医がその施設での研修指導を行えるような工夫をしていること(インターネットなどを介して)。
  • 地域医療への配慮のため、以下の配慮をおこなう。専門医はいるが、指導医がいない施設においては、専門医が指導医を取得するまでの3年間を限度に、学会に申請することによって、特別認定指導医となることができる。特別認定指導医が、指導医と同じ役割を果たすことで、認定教育施設として、認められる。

3)診療経験の環境
  • カリキュラムに示す7領域のうち5領域以上で定常的に専門研修が可能な症例数を診療していること。(腎・尿路系疾患の入院患者が年間100名以上を目安とする)
  • 腎臓病の専門外来があること。

4)学術活動の環境
  • 臨床研究が可能な環境が整っていること。
  • 日本腎臓学会学術総会、あるいは東部、西部学術大会に年間で計1演題以上の学会発表をしていること。

なお、診療所での経験や過疎地での診療経験も幅広い専門研修の一部であり、地域に根ざした全人的な医療の担い手としての素養を形成すると考えている。しかし、このような施設では、指導医も専門医も在籍しない可能性がある。そこで、このような指導医も専門医も在籍しない施設を特別連携施設として、指導医のいる研修施設と連携し、定期的に指導医が指導することで、1年を上限に特別連携施設での研修を認める。

【H:専門医試験】

Q1: 専門医試験の実施時期は、従来通り2月ですか。(2021/9/27追記)
A: 現在、腎臓専門医の試験は2月におこなわれていますが、今後、基本領域専門医取得後でないと受験できないことになることから、年度は未定ですが腎臓専門医試験は9月頃実施を検討しております。