第10回優秀賞

2019年9月14日(土) 京都烏丸コンベンションホールにて
第10回当番幹事 名古屋大学 丸山彰一

 

総 評

第10回分子腎臓フォーラムを2019年9月14日に京都烏丸コンベンションホールにて開催致しました。本研究会は、20年以上前から続いていた分子腎臓研究会をベースとして、2010年に分子腎臓フォーラムと改称されたものです。この間、一貫して若手研究者の登竜門として腎臓に関する最先端の研究成果を発表する場となっています。10年目の区切りを迎えた今回も、全国のご施設から素晴らしい演題を多数ご応募いただきました。すべての演題が非常に高いレベルにあり、選考委員による一次選考は困難を極めましたが、20演題を厳選致しました。

当日は厳密な時間制限があり、発表者の先生方は緊張されたと思います。いずれの演題も、ほんの数分だけ示される一枚一枚のスライドに膨大な努力が凝集されていることが感じられ、大変感銘を受けました。また建設的なディスカッションによってそれぞれの研究の意義がより明確になったと思います。当日は7演題を優秀演題として表彰いたしましたが、賞に漏れた演題も決して劣っている訳ではなく、むしろ将来の可能性を感じさせる素晴らしい内容であったことを申し添えておきます。

近年、日本における医学研究力の低下が問題となっていますが、本研究会では日本の腎臓研究者の質の高さと層の厚さを実感できました。また質問に立った先生方が若手研究者を守り立てようとする姿勢もとても印象的でした。腎臓研究を推進しようとする日本腎臓学会の方針ともよく合致した研究会であったと感じています。

皆様のご協力により、本年も成功裡に本フォーラムを終えることができました。発表者ならびにご指導された先生方、選考委員、座長などもおつとめいただいた幹事の方々、熱心に討論に参加いただいた方々、様々な形でご協力をいただいた方々に、幹事を代表して心より感謝申し上げます。

来年の第11回分子腎臓フォーラムは東京慈恵会医科大学の横尾隆先生に当番幹事をご担当いただき、9月12日に東京にて開催されます。本年と同様に、皆さま方の積極的なご参加をよろしくお願いいたします。

 

優秀賞

7件

Cytochrome P450基質薬のスクリーニングによるフェロトーシス
抑制薬の同定、機序の解明、急性腎障害抑制作用の検討
発表者名 三島 英換
所 属 東北大学病院 腎高血圧内分泌科
SGLT2阻害薬の腎保護作用におけるケトン体の役割の解明
-高脂肪食負荷ApoE欠損マウスを用いた検討
発表者名 富田 一聖
所 属 滋賀医科大学 糖尿病内分泌・腎臓内科
腎修復を制御する微小環境,三次リンパ組織における細胞間相互作用の解明
発表者名 好川 貴久
所 属 京都大学大学院医学研究科 腎臓内科学
TNFαは腎臓でのWNK1分解を抑制し慢性腎臓病の塩分感受性を亢進させる
発表者名 古荘 泰佑
所 属 東京医科歯科大学腎臓内科
死細胞センサーMincleによる急性腎障害の慢性化機構の解明
発表者名 坂(田中)まりえ
所 属 名古屋大学環境医学研究所 分子代謝医学分野 名古屋大学医学系研究科腎臓内科学
Membrane-associated guanylate kinase inverted 2(MAGI-2)は、
ポドサイトのスリット膜構造維持に必須である
発表者名 山田 博之
所 属 千葉大学大学院医学研究院 腎臓内科学
IgA腎症の病態における粘膜免疫応答異常
発表者名 狩野 俊樹
所 属 順天堂大学腎臓内科学講座

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