第3回優秀賞

2012年9月1日(土) ベルサール八重洲にて
第3回当番幹事 埼玉医科大学 岡田浩一

 

総 評

前回の分子腎臓フォーラムが台風の接近により昨年9月から本年1月に延期されたため、今回のフォーラムは短期間の準備期間で開催されることになり、当初、演題応募に不安がありました。しかし例年通りに多数の演題が寄せられ、演題選定委員によって厳選されたハイレベルな23演題でフォーラムを成功裏に開催できましたことを、運営幹事一同大へん喜んでおります。幹事を代表してご協力いただきました皆さま方に、お礼を申し上げます。

本フォーラムでは、運営幹事が演題発表を評価し、上位から7演題を優秀演題として表彰しています。惜しくも選にもれた先生方も、評点の違いは僅差であり、次回のフォーラムに新たな演題でチャレンジしていただければと思います。本フォーラムの前身である分子腎臓研究会では、腎生理学・薬理学分野の基礎研究の演題が大きなウエイトを占めておりましたが、今回のフォーラムでは内科系研究者による臨床応用を見据えたトランスレーショナル研究の演題が多数発表され、近年の特徴かと思います。情報交換会の席上でご挨拶いただいた松尾清一日本腎臓学会理事長のお言葉にもありましたように、欧米の有力雑誌に掲載される日本発の腎臓学に関する論文数は2000~2005年をピークに減少傾向にあります。しかし分子腎臓フォーラムにおける若手研究者による発表演題は、間違いなく世界の腎臓学をリードするレベルのものであり、日本の腎臓学の未来は十分に期待できるものと確信しています。分子腎臓フォーラムをその一助とするべく、運営幹事一同、これからも鋭意努力する所存です。

来年の第4回分子腎臓フォーラムは京都大学の向山政志先生に当番幹事をご担当いただき、9月7日に京都にて開催されます。本年と同様に、皆さま方の積極的なご参加をよろしくお願いいたします。

 

優秀賞

7件

AGEsを分子標的とした新規糖尿病性腎症治療薬の開発 ~AGEs aptamerの可能性~
発表者名 甲斐田 裕介
所 属 久留米大学医学部 内科学講座腎臓内科部門
プロピルチオウラシルによるNeutrophil Extracellular Traps(NETs)の
形成・分解障害はMPO-ANCA関連血管炎の病態機序に関与する
発表者名 中沢 大悟
所 属 北海道大学大学院 免疫・代謝内科学分野 
進行性Podocyte障害に伴う巣状糸球体硬化症(FSGS)の病変形成における
Notch signalの機能解析
発表者名 上野 智敏
所 属 筑波大学大学院 人間総合科学研究科 生命システム医学専攻 腎・血管病理学 
腎尿細管に残された第二のシスチントランスポーターの分子同定
発表者名 大垣 隆一
所 属 大阪大学大学院医学系研究科 薬理学講座・生体システム薬理学
KLHL3を介したWNK4のユビキチン化障害がヒト遺伝性高血圧症の発症メカニズムである
発表者名 若林 麻衣
所 属 東京医科歯科大学 腎臓内科学
ヒトiPS細胞から腎構成細胞に分化しうる中間中胚葉への高効率分化誘導法の確立
発表者名 前 伸一
所 属 京都大学iPS細胞研究所 増殖分化機構研究部門 長船研究室
腎臓幹/前駆細胞からのIn Vitroにおける三次元的な腎臓構造再構築
発表者名 喜多村 真治
所 属 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 腎・免疫・内分泌代謝内科学 臓器再生研究室

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